2009年03月26日

「銭ゲバ」最終回(仲)

わかったよ。わかったって。オレはもう死ぬよ。それが望みだろ、お前らの。消えてやるさ。
でもな、オレは間違っていたとは思わない。これっぽっちも思わない。たしかにオレは人殺し、犯罪者だ。地獄に堕ちてやるよ。
ただな、オレは思うズラ。この腐った世界で平気なツラしてヘラヘラ生きてる奴の方がよっぽど狂ってるズラ。いいか、この世界に生きてる奴はみんな銭ゲバだ。
お前らは気づかんで、いや、気づかんふりをして飼い慣らされていたブタみたいに生きてるだけの話ズラ。
そいでよきゃ、どうぞお幸せに。
ただオレは死んでも、オレみたいな奴は次々生まれてくるズラ。そこら中、歩いてんだぜ、銭ゲバは。
じゃぁね。



これが導火線に火をつけた後の最後の風太郎(松山ケンイチ)の言葉だ。
私は彼の言葉を否定できない。確かに世の中はそういう風にできている。気がつくか、気がつかないかの差ではあるが。

しかし、風太郎の言う「銭ゲバ」とは、言葉の語感から感じるところのものとは大きくかけ離れていた。

自分の体に巻き付けたダイナマイトに引火するまで、母との思い出の掘っ立て小屋に刻み込まれた「幸せ」とは、ごく普通のありふれた幸せだった。

普通に育って、普通に就職して、普通に結婚して、普通に子供を授かる、それが彼の「幸せ」だったのだ。決して人を殺めたりまでして得ようとする類のものではなかった。

彼のその「幸せ」に対する夢想が明らかになって、涙がこぼれた。彼は望んで「銭ゲバ」になったのではない、望んで人を殺めたのではない。ただ、みんなと同じような幸せを手にしたかっただけなのだ。

結局風太郎は「銭ゲバ」になりきれなくて、死を選んだわけだが、「銭ゲバ」になりきるストーリーも観てみたかった。

いずれにしても、このドラマはいままでになく切なくて、大きな問題提起をしたと思う。この時代にこのドラマを放送したスタッフの勇気を讃えたい。

ただ、余談だが、伊豆屋の店内に風太郎からの手紙が額に飾られていたのは蛇足だったと思う。風太郎の本来の人の良さを表現したかったのかもしれないが、結局銭かよ、という風にも解釈できるからだ。

(仲村英一郎)
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2009年03月16日

「銭ゲバ」最終回(む)

海辺の小屋の柱に刻まれた「幸せ」の文字、走る導火線の火、死が迫り狂気の表情を浮かべる風太郎…そうした緊迫感のある映像の間に挿入されたのが「もうひとつの風太郎の人生」のドラマだった。
こういう構成で来たか、と素直に驚く。
風太郎の手にかけられて(或いは彼の画策で)命を奪われてしまった人々が、彼の幻想の中に次々と登場し、別の日常風景が色鮮やかに展開される。仲間と野球を楽しむ風太郎、小遣いを無計画に使い母親に諭される思い出、父親とのキャッチボール、大学進学を喜びあう家族との触れ合い、友達や恋人との出会い、結婚、仕事の挫折、そして子供の誕生…どこかで何かが狂わなければ送ることができたかもしれない平凡でありふれた日々の光景が、すなわち風太郎が本当に欲しかった幸せなのだろうと思う。それがあまりにも背伸びのない慎ましやかな幸福観であるが為に切なさが募った。

脚本や演出上のテクニックとして上手いと思ったのは、これまでの劇中で使ったいくつかのセリフを、その空想シーンの中で同じ役者に言わせるアイデア。一言一句違わない同じ文字の言葉でも発する側、受け取る側の気持ちや状況次第で暖かくも冷たくも響く。その差を効果的に活用していた。
また役者も同様。あれだけ陰鬱な印象だった茜(木南晴夏)が、名前こそ同じでありながら明るい女子大生として風太郎の前に愛らしく現れるのだ。(ミムラ演じる緑のキャラクターに至っては天晴れ!としかいいようがない豪快ぶりだった/笑) それぞれの役者としての技量にも大いに感心した。

ただラストについては少々不満。死を前に自分が間違っていなかったこと、自分が死んだところで所詮世の中は銭ゲバだらけだ、というようなメッセージを吐いて暗転、という終わり方に後味の悪さを感じてしまったからだ。個人的には、緑が風太郎の墓に1円玉を置いて「銭ズラ…」と呟く場面で終わっても十分だったような気はするが。

「銭ゲバ」は扱う内容や展開の重さ・暗さにかなり好みが別れたようだ。不況の現代においてネガティブな気持ちをより増長させてしまうだけなのか、またはその気持ちから脱却する何らかのヒントを得るか、それは見る人次第だろうが、この作品を敢えてこの時期に企画した事に関して私は有意義だと思う。
主演の松山ケンイチ、脇を支えたミムラや椎名桔平らの役者としての魅力も十分堪能できる作品だった。(むさし)

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2009年03月10日

「銭ゲバ」第8話

自分が思ったとおりの世の中だから死ぬ、と風太郎(松山ケンイチ)は言った。

本当は世の中が金だけがすべてと思いたくなかったのだ。
金のために自分への追求をやめ辞職した刑事。
包丁までむけて風太郎に金を要求する伊豆屋の一家。

風太郎はそんな金だけが世の中のこの世界に絶望したのだ。
そして死を選ぼうとする。

なんとも切ない話ではないか。

体中にまかれた爆薬につながった導火線の火を消しにくるのは緑(ミムラ)ではないかと思うのだが、どう決着がつくのか気が気でない。

(仲村英一郎)
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2009年03月09日

「銭ゲバ」第8話(む)

野々村真一(松山ケンイチ・二役)が放蕩の果てに作った2000万円もの借金の返済を迫られ追い詰められた野々村家のそれぞれの行動が、風太郎が「賭け」と言っていた小さな希望を打ち砕く。貧しくも明るく快活な定食屋・伊豆屋の家族までもが、お金の為に崩れていく様を見るのは、物語の組立としては非常に上手いと思いつつ、心情的に辛かった。
また今回は10億入りトランクをガラガラと引き摺りながら遊び呆けていた父・健蔵(椎名桔平)が、そのお金を風太郎に返す場面が印象的。いい加減で、狡く、どうしようもないダメ男ぶりを初回から散々見せつけておいて、その実、いち早く分相応を悟った意外性に意表を突かれた。

策略どおり三國家に入り込み、金を手に入れ、金で人を支配し、そして金の前にひれ伏していく人々を目の当たりにした風太郎は、「世の中、銭ズラ」と呪詛のように唱え続けてきた自身の生き方が間違っていなかったと確信していく一方で、しかしそれがすなわち「幸せ」ではない現実も突きつけられる。そんな虚しさに耐え切れなくなったのだろうか。そして絶望だろうか。風太郎は、かつて母親と過ごした海辺の小屋で自殺を図ろうと、体にダイナマイトを巻きつけ、導火線に火をつけた。
衝撃的な場面で「続く」となったが、このまま単純に命を落としてしまう筋書きとは思えない。と言って安っぽいヒューマニズムで片付けられる話でもないだろう。次回は早くも最終回。久々に結末の予想が難しいドラマだ。脚本・岡田惠和の手腕に期待。(むさし)

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2009年03月06日

「銭ゲバ」第7話(仲)

風太郎(松山ケンイチ)が復活した。いや、パワーアップして戻ってきたというべきか。

緑(ミムラ)と茜(木南晴夏)に、三國家に潜り込んだ真相から譲次(山本圭)殺害に及ぶすべてを語る。
しかし、茜はそれを全て受け入れ、風太郎に「愛している」と告げる。だが、その思いは風太郎には届かなかった。
そして茜は自ら命を絶つ。

風太郎の全てを分かった上でそれでも愛していた茜。まさに無償の愛だ。
風太郎は気づかぬうちに、初めて自分に向けられた愛を無くす。

風太郎を追い続けていた刑事荻野(宮川大輔)は、妻を救うために結局金の前に屈した。「金があればなんでもできる」という風太郎の前にひれ伏したのだ。
自分の信念が間違っていなかったことに満足した風太郎だったが、茜の死は風太郎になにをもたらすのだろう。

一方で風太郎の生い立ちを探り始める緑。これからは風太郎と緑の関係が大きな軸になりそうだ。

逆説的ではあるが、このドラマは金がなくて困窮している人々に、勇気を与えているかもしれない。人生は銭だ、という開き直りが、生きるモチベーションをあげているような気がする。もっともこれはこのドラマが言わんとしているテーマとは異なるとは分かっているが。金のためならなんでもするズラという風太郎の考えは(極端ではあるが)、経済苦で自殺するよりも、前向きではないだろうか。あくまで個人的な考えだが。

(仲村英一郎)

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2009年03月03日

「銭ゲバ」第7話(む)

お金によって運命や人生や人格までも歪められてしまう哀しさが随所に表現されているこの物語は、ドラマと分かっていても胸苦しくなる。にも関わらず、回を追うごとに目が離せなくなっているのは、やはり「金」と「幸福」と言う、人が俗世で生きていく中で捨てきれない欲望をストレートに描いている点と、役者の熱演があるからだろうと思う。
風太郎(松山ケンイチ)の生まれ故郷を訪ねる緑(ミムラ)の目的は“ちゃんと憎む為”だという。おっとりと素直に、伸びやかに育ってきたこれまでの彼女が、風太郎を憎むことでしか生きていかれないような、そういう眼差しを視聴者にも向けて芝居をする。健蔵(椎名桔平)へ言い放つ容赦ない冷淡な言葉は痛快を通り越して、ショッキングですらあったが、見事でもあった。
宮川大輔演じる荻野も然り。弟を風太郎に殺されたという疑惑を抱き、刑事として追い詰めてきたその相手に、妻の心臓手術の費用を用立ててもらう為に頭を下げざるを得なくなった苦悩と屈辱が、耐え切れず路上でうずくまり泣き崩れる姿によく表れていた。
そして主役・松山ケンイチの迫力ある芝居…は言うまでもないが、忘れちゃいけないのは少年・風太郎を演じる齊藤隆成。少年期のエピソードをここまでふんだんに組み込む構成とは思わず、当初は1話限りだとタカを括っていただけに予想外の出番の多さだ。いかにして風太郎が「銭ゲバ」と化したかを視聴者に納得させる重要な場面を、大人の役者と比べても見劣りしない力で魅せているその功績は大きい。(むさし)

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2009年02月27日

「銭ゲバ」第6話(仲)

三國緑(ミムラ)は実は正気を失ったフリをしていた!
これには驚いた。全く不意を突かれた。
風太郎(松山ケンイチ)と同様に、呆然としてしまった。

緑が風太郎を罵倒するシーンは圧巻だった。
風太郎の正体に気づき父を殺されてからの、風太郎への燃えるような憎悪と怒りが画面越しに伝わってきた。
これほど衝撃的なシーンは久しぶりに観た気がする。

風太郎は金のすべてを知っていたわけではなかったことを知る。
金さえあれば幸せになれると信じて人生を金に捧げてきた風太郎にとって、それはあまりに辛いことだっただろう。信じるものを失ってしまったのだ。
風太郎にとって金は神のような存在だった。神をなくした風太郎にはもう信じられるものがない。生き地獄だ。

個人的には生き地獄から再び這い上がってさらに金の亡者になる風太郎を観てみたいが、そんな結末にはならないだろう(テレビドラマでもあるし)。
おそらく、「人は金だけではなく心だ」的な着地点だと推測するが、それはそれで興味がある。
どういうプロセスを経て風太郎が心を取り戻すのか。何が彼にそれを気づかせるのか。
いずれにしてもありがちな綺麗事で決着をつけて欲しくはないところ。

脚本がベテランの岡田惠和だけに、期待を裏切られることはないと思っているが。

次回は(くどいようだが、個人的には)風太郎の逆襲を期待したいところ。

(仲村英一郎)
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2009年02月24日

「銭ゲバ」第6話(む)

策略の果てに、何億というお金の束を積み上げられるような生活を手に入れた知恵がありながら、そのお金が必ずしも人を幸せにするわけではないと、何故思い至れないのだろう。私達の中にも、おそらくあるだろうその浅はかさを思い知らされた回だった。
母に面影の似たホームレスの女・寛子(奥貫薫・二役)に高価な服やホテルの豪華な部屋をあてがい、今の生活から抜けるようにと札束まで手渡した風太郎(松山ケンイチ)の行いは、「母親を幸せにする」という、かつて叶わなかった願いの代償行為として、束の間、自分を満足させたかもしれない。が、結局はその厚意が仇となり、逆に彼女を死に至らしめた。彼は再び「母」を、今度はその得たお金で失う。皮肉な話だ。

あと印象的だったのは、三國譲次(山本圭)の無残な死によるショックで廃人のようになってしまった緑(ミムラ)の、突然の反撃。実際問題、あそこまで精神状態のおかしくなった様子をバレずに演じ切れるものだろうか、と思わないでもないが(苦笑)、ま、そこは目を瞑るとして…あの凄まじさは感動的ですらあった。必見。

風太郎は荻原(宮川大輔)の妻への傷害容疑で逮捕されるが、一気に頂点に登りつめ、そしてあっけなく転落…というほど簡単な筋書きではないだろう。後半からクライマックスへの展開もますます気になるところだ。(むさし)

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2009年02月17日

「銭ゲバ」第5話(む)

実父・健蔵(椎名桔平)の想定外の邪魔に苛立ちを感じながらも、風太郎(松山ケンイチ)は、三國家での信用を「誠実に努力する娘婿」というスタイルで着実に獲得していった。一方、緑(ミムラ)はそんな折に刑事・荻野(宮川大輔)から風太郎についての私見を聞かされる。風太郎が全て計算の上でこの三國家に入り込んだのだと知り愕然となった彼女のもとへ今度は父親・三國譲次(山本圭)が殺害されたという連絡が入る。それは風太郎が造船所で一時共に働いていた派遣社員の青年を利用して、計画的に犯行に及ばせたものだったのだ。急逝した社長に替わり、風太郎は三國造船の新社長となる。

そもそも、いくら愛娘・茜(木南晴夏)の願いとは言え、そして彼女がそれを理由に自殺未遂まで起こしたからといって素性の知れない男との結婚をあっさり許すだろうか。造船会社の社長ともあろう大人物が、ろくに調べもせずにそんな迂闊な事をするもんだろうか…。ここまでの三國家の不幸は、風太郎の作戦勝ちという以前に、むしろ三國家の甘さが招いたものだろうと意地悪く思ってしまった。
そんな隙だらけの三國家の描写が続いた後だからだろうか、風太郎の本性を知り動揺する姉とは対照的に平然と「そんなのわかっていた」と言い放つ茜の意外な強さには、ちょっと意表を突かれた。伊達に屈折したまま生きてきたのではない、ということか(苦笑)

計画通りに2発の銃声を聞き届けた後の風太郎の呻き。彼はこれからの展開で、その削ぎ落としきれない罪悪感に自ら破滅していくのか、或いは「良心」を徹底的に踏み潰す生き方をしていくのだろうか。ドラマの世界の中くらい、せめて救いのある結末であって欲しいと思いつつも、銭ゲバを見ていると理想だけが世の中じゃないと諦める自分もいて少々複雑な気分だ。(むさし)

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2009年02月16日

「銭ゲバ」第5話(仲)

茜(木南晴夏)は、風太郎(松山ケンイチ)の真意に気づいていた。
自分への愛ではなく三國家の金が目的で結婚したことを。
それを知りつつも、いつか風太郎に愛されることを信じている。
まさかの茜の気持に衝撃を禁じ得なかった。
苦労知らずで人を疑うことを知らないお嬢様の緑(ミムラ)には受け止められないことだったろう。
そして父・譲次(山本圭)が風太郎の策謀によって殺され、緑は正気を失う。


後半で風太郎がビルの屋上から大量の一万円札をばらまくシーンがあったが、あれは風太郎自身の中で起きている葛藤を具体化したものだ。
根は優しい風太郎だったが、金のために歪な人格を形成されてしまい、今では金の亡者と化している。愛も友情も慈しみもすべて消し去った自分が本来の自分を封じ込めようとしているのだ。風太郎の嘆きが観ている者の胸をかきむしり傷をつける。


このドラマは暗くて救いようがない。しかし、心の奥深い琴線に響く。
金とは、愛とは、そして、人生とは。

綺麗事で結論づけることの多い昨今のドラマの中で唯一このドラマは光っている。
まるで古びた十円玉のように鈍く。

結末まではまだ数話あるが、結末によってドラマ全体の良し悪しがひっくりかえるであろう。
まだまだ目を離せない。

(仲村英一郎)
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2009年02月13日

「銭ゲバ」第1〜4話(仲)

銭のためなら何でもするズラ

たしかに風太郎でなくてもみんなそうだ。
人は金じゃない、心だと説かれても、全く説得力など感じない。

金があれば人は生きていけるが、金がないと生きていけないのは事実だ。

風太郎のように腹を決めた貧乏人がどんな卑怯な手段を使っても、金に復讐をするというのはごく自然の考えではないか。

風太郎の言うように格差社会は今に始まったことではないのだ。

悲しいと言えばそれまでだが、そうするしかないのだ。生きるために。

実際風太郎が三國家に計算高く潜り込んでいく様は、観ていて胸がすく。苦労をしらずに育った世界の人間に復讐を願ってしまう。

・・・

ストーリーも中盤を迎えた。人が人を動かすのは、銭か心か、そこがこれからの焦点になってくるのだろうが、岡田惠和がどのような最後を用意しているのか、じっくりと観させてもらうつもりだ。

(仲村英一郎)
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2009年02月06日

「銭ゲバ」第1〜3話

貧しい人間と裕福な人間、2種類の人間たちのそれぞれの生き様が描かれているドラマだ。
ただし、視聴者の多くを占めるのはその中間層に位置する人々だろう。
そんな私たちはこのドラマを、この時代にどう受け止めるだろうか。

職の問題や貧富の差の問題も取り入られているため、見ているのが辛いシーンも多いが、”ピカレスクドラマ”としても楽しめるかもしれない。
キャストはなかなか味があり、何より松山ケンイチの存在感が圧倒的だ。
ただ、明るさと暗さのバランスを保つために光石研らの定食屋のシーンが入れられているのだろうが、そこは少々冷めてしまう部分があるのは否めない。

また、回が進むごとに演出が凝っていっているのが面白い。
(緋炎)
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「銭ゲバ」第1話(仲)

遅ればせながら、「銭ゲバ」第1話を観た。

個人的にジョージ秋山の原作は好きではなかったので、観たくはなかったのだが、脚本が岡田惠和であることが気になって、第1話だけ観てみた。

想像していた通りの目を背けたくなるような陰鬱としたドラマだ。今の風太郎(松山ケンイチ)がどうやって形成されてきたか、に重点が置かれたストーリーだった。子供時代の風太郎が、普段からよくしてもらった知り合いの新聞配達員をバット(しかも彼からもらった)で撲殺するシーンは悲しいを通り越して胸が痛い。痛すぎる。

ただ、感じたのは、このドラマを今の大不況の時代にやる、という意義だ。心がすさみ国民みんなが風太郎のように「ゼニのためならなんでもするズラ」という時代になぜとりあげたのか。しかもなぜ岡田を起用したのか。
そこが気になってしまった。その謎が解けるまで、なんとなく気は重いが、次回も観てみようと思う。

(仲村英一郎)
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2009年01月25日

「銭ゲバ」第1〜2話

さて「銭ゲバ」である。遅ればせながらチェックした。
周囲では結構、評価が分かれていた。ドラマとしての出来不出来というより、その内容に惹かれるか否か、という点で。何せ「金が全て。金のためなら何でもする」という男が主人公だ。人を殺め、他人を嵌め、のし上がり、他人の幸福を奪い取りながら金を掴み取って生き抜いてやろうという生き方しかできなくなった姿をドラマとは言え描いていくのだ。爽快感とは無縁の展開、この不況の折に追い討ちをかけるような重いテーマ、いわゆる理想の道徳観念に背を向ける主人公に嫌悪を抱くという声もあった。
実際、視聴してみてその意見もわからないでもないと思った。確かに好き嫌いは分かれそうだ。
ただ、私は最後まで見てみたいと思う。

何故、彼がお金に執着するようになったか。その理由を説明する子供時代が非常に丁寧に描かれていたことは、最後まで見ようと思った理由のひとつだ。主人公・蒲郡風太郎(松山ケンイチ)の子供時代は貧しさゆえに虐められ、酒に溺れる父親(椎名桔平)の暴力に苦しみながらも、自分を愛してくれる母親(奥貫薫)を思い、健気に頑張る優しい少年だったのだ。その一連の描写が本来の風太郎にもう一度戻って欲しいという願いに似た期待感を持たせる。どんなラストが待っているのか、原作を読んでいない私にはまだ予想もつかないが、この世情の中で敢えてチョイスしたシビアな題材を、脚本家の岡田恵和が絶望的な結末で片付けるとも思いたくない。
(余談ながら風太郎の少年時代を演じたのは齊藤隆成。前クール「流星の絆」で有明功一の子供時代を演じた子役といえばおわかりだろうか。今回も大事な役どころをしっかりと演じているので要チェック。)
それから“明るい貧乏代表”のような野々村家との触れ合いがもたらす風太郎への影響にも期待したい。ひょんな人違いから強引に引っ張り込まれた定食屋を営む一家だ。光石研とりょうが無駄に明るい夫婦として登場する。ドラマの中では唯一賑やかな場面となり、我々視聴者をホッとさせる役割でもある。
そしてもうひとつに松山ケンイチの芝居の上手さ。ひと言も発しない陰鬱で無口な青年と思いきや、人を騙し操る為には饒舌にもなるし、笑顔も見せる、泣いても見せる。その役柄の上での役者っぷりもなかなか面白いのだ。

主人公の境遇を描いた1話、造船会社を経営する三國家に取り入るきっかけを掴んだ第2話、2時間以上を続けて観たが退屈はない。既に3話が気になっている。(むさし)

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