2008年09月21日

「上海タイフーン」 第1〜2話

「ガリレオ」や「CHANGE」などで勢いのある福田靖の脚本と知って、興味を持ったNHKの土曜9時のドラマだ。この枠では、これまでも「フルスィング」や「トップセールス」など、困難や試練を乗り越えて、力強く生きていく主人公の生き様をストレートに描いたドラマが続いたが、今回もまた発展めざましい中国で人生の再起を図ろうと奮闘するヒロインが登場する。

主人公・野村美鈴(木村多江)はアパレルメーカーで営業チーフという責務を担って活躍していたが、販売市場として展開を予定している上海での視察中のトラブルが元で、会社を辞めてしまう。自らの仕事の能力には自信のある美鈴だったが、その過剰な自惚れが災いして再就職も思うように決まらず、また同じ頃、交際していた恋人からも別れを切り出されるなど急降下な人生を味わう中で、ふと目にした記事「上海で活躍する日本人企業家」に触発されて、突然上海へ渡航するところまでが第一話。なんともまぁ無鉄砲な主人公で、またどうすりゃそこまで思い上がれるんだ、とツッコミたくなるほど傲慢な女性役を、どちらかといえば幸薄い控えめな役が似合う木村多江が演じているところに違和感を感じつつも、そのスピード感に圧倒されて最後までみてしまった。(続く第2話では、案の定、その見込みがいかに甘かったかという現実を思い知らされるのだが…)

この美鈴の「傲慢」さは、これからの彼女が上海の街で成長し、活躍していく様を効果的に見せるための演出だろうか。残る4話でどこまで丁寧に描けるのかがポイントだと思うが、最後は視聴者がこの美鈴の生き方に何時の間にか共感していた、というような筋運びを期待したい。
ちなみに背景として描かれている超近代化された上海の街並みと、ビルの谷間に力強く生き残る里弄(リーロン)と呼ばれる長屋町とのコントラストも面白い。その新旧混在した不思議なパワーに溢れた今の中国をこのドラマで垣間見るのもドラマの楽しみのひとつになりそうだ。
出演はこの他に上海の若い投資家役のピーター・ホー、松下由樹、林丹丹、MEGUMIなど。(むさし)
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「太陽と海の教室」 第8〜9話

自殺願望のあるクラスメイトを放っておけなかったハチこと田幡八朗(濱田岳)は、結局その彼女の暴走に巻き込まれ、プレジャーボートで沖合いに流された挙句に死んでしまう。終盤に来て唐突とも言える悲劇的な展開は、狙い過ぎな気がしているが、ただその中でハチ役の濱田岳の役作りに少々感じ入るものがあったのでひとこと。
若手の役者の全てそうだとが言わないが、その芝居の実力は単に脚本に書かれているセリフをテンションの上げ下げのみで表現する程度の薄っぺらいものが多いと思っていた。ところが今回の濱田岳からは、それだけではない“作りこみ”が伝わってくる。メンバーの中では「ピエロ的」な存在であることを、少々情けない風体と、優しくも飄々とした独特のセリフ廻しでもって工夫して演じているのだが、これがかなり印象に残るのだ。多分その他の役は誰がやってもさほど変わらないと思えるし、例えば数年後に誰が演じていたかを思い出そうとしても出来ないだろうが、このハチ役だけはそれが濱田だったと覚えていられるような気がする。ちなみに彼を最初に見たのは数年前の金八先生の第7シリーズ。その時も同じように「お調子者」の役だったが、それともまた表現方法が違うあたりに彼の実力が垣間見られるのではないだろうか。いわゆるイケメンでもなく、主役を張るタイプではないかもしれないが、バイプレイヤーとして息の長い役者でい続けて欲しいと期待している。(むさし)
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2008年09月16日

キャットストリート

NHKのドラマ8・第三弾として登場したのがこの「キャットストリート」。不登校の子供たちが集まるフリースクールを舞台に、そこでの出会いや友情を通して、立ち止まったままだった自分の人生の次の一歩を踏み出していく少年少女たちを描くドラマだ。原作は「花より男子」の神尾葉子。ティーンエイジをメインの視聴者層として位置づけているこのドラマ枠の狙いには相応な内容だと思う。

10歳の時から7年間ひきこもりを続けていた主人公恵都(けいと)に谷村美月。彼女を自らが経営するフリースクールへ誘ったのが、スクール長の森口(生瀬勝久)で、そこで出会う生徒役に勝地涼、木村了、黒川智花といったキャストを揃えた。
物語は、それぞれの若者が抱える過去のトラウマを互いへの友情という絆によって少しずつ克服し、そして自信を取り戻し殻を破っていくという比較的オーソドックスな展開。「ひきこもり・不登校」という状況が今や珍しい事ではなくなっている昨今では、その設定もあまりセンセーショナルには感じられず、果たしてリアル世代の関心を呼ぶだろうか、と思わなくもないが…小細工せずに、まっすぐなメッセージをドラマに込めている姿勢はNHKらしいと言うべきか。

全6回の折り返しに来て、ようやく恵都が自分の能力、自分のやりたいこと(=女優として芝居をすること)を意識し始めて、そこへかつてのライバルの登場もあり、先の展開が少し楽しみになってきた。(むさし)
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「コード・ブルー」〜ドクターヘリ緊急救命 最終回

4人の若いフェロー達の成長物語。さて彼らは成長したのか。

自分の技術に自信があり、他人との関わりを好まない一匹狼だった藍沢耕作(山下智久)は「事故現場で人の鼓動の熱さ」を感じたか?という白石(新垣結衣)の問いに「感じた」と真摯に答えるまでになった。痴呆が進んで自分を孫だと分からなくなった祖母への関わりにもハートが見えてきた。
同じく自信家で緋山美帆子(戸田恵梨香)のセリフにも、他人を蹴落とすのではなく、共に成長していこうという気持ちがストレートに表れる。(ちなみに、気になっていた常備薬は、結局ただのサプリメントだったのか?)黒田(柳葉敏郎)が腕を切断する怪我を負ったのは、自分のせいだと、そのプレッシャーから救急医研修を辞める決意をしていた白石も、最後は「もう一度、やらせてください。」と上司に懇願。この道でやっていこうという決意を覗かせた。腕は冴えないのに口だけは達者で軽薄、お調子者というキャラの藤川(浅利陽介)も、ヘリに乗れない(力量を認めてもらえない)みそっかす的な存在であることを指摘され激しく落ち込んでからは、いい意味での開き直ったのか、最終回では同じ人物とは思えないほどの冷静さで治療にあたっていた。確かに彼らは成長した。「成長」という観点からすれば、その姿はきちんと描かれていたと思う。

しかし…はっきり行って「ドクターヘリ」はあまり関係がなかったのでは?それ自体が救急医療現場でどのように活躍し、期待されているシステムなのかという説明はされたが、それがドラマを盛り上げるという事はなかったし(少なくとも、私は感じなかった)、むしろタイトルに「ドクターヘリ」をつけることで、ドラマの主題が少し薄れてしまった気がする。ただの「コードブルー」でよかったのに。

フェロー達を指導する立場の中堅組(柳葉敏郎、杉本哲太、りょう、勝村政信ら)が、毎度丁寧な芝居をしていたので全体として大きく崩れなかったのは救われた。スペシャルや続きを作るなら、今度は若手を主役にするよりは、ヘリのスタッフも含めた群像劇の色合いを濃くした構成でもいいような気がする。(むさし)
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「Tomorrow」最終回

財政難に苦しむ地方都市の象徴として「市民病院」を取り上げ、そのあり方を問う主題はよかったと思う。社会問題を「物語」を通して広く周知するのもドラマの役割のひとつだろうと思うからだ。

とある町の市民病院が、巨額の赤字解消の為に金の稼げるセレブ病院として再建されようとし、それが上手く行きそうにないと判断されると、今度は一転、リゾート開発となり病院閉鎖に追い込まれた。このドラマでは、熱血看護士・田中愛子(菅野美穂)と、一度は医師の道を捨てていた森山航平(竹野内豊)を中心に、様々な状況で運ばれてくる患者とのかかわりを通して、いかに地域医療が大切かという事を訴えてきた。全体的に「優等生的」な展開が続き、しかも患者はほとんど身内ばかりで(最後はとうとう愛子まで重傷を負う羽目に…)、そのあたりにはいささか作りの甘さというか、安易さを感じた。が、一方で男女を主役に据えた割には「恋愛」のベタベタした感情を基本的に排し、人の命を救うための信頼関係に徹していたのはよかった。最終回のラストでちらっとそういう表現はあったが、あの程度ならむしろ爽やかで納得がいく。

結局、市民病院は航平の提案で「オープン病院」として再開する。地元の開業医に病院の医療機器などを開放し、互いに活用しつつ地域医療を発展させる為のシステムだ。当初、敵役で登場した遠藤(緒川たまき)も、気づけば笑顔満開で病院で働いていたりと、これまでの登場人物全てに幸せが降り注いだかのような大団円は個人的には嫌いではないのだが、テーマが現代に溢れている問題だけに、もう少し“現実的”な「理想」や「希望」を描くこともできたのでは、と少々疑問も残る。(むさし)
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2008年09月12日

「魔王」第10話

直人の苦悩、領の迷いが如実に表れていた今回だが、領や直人を上回ったのが芹沢パパ…石坂浩二さん。
人を貶めて不幸にしてのし上がってきたのは確かであるが、それだけではない、頭の切れや度胸のよさ、豪胆さや冷静さなどが備わっている人物として描かれているように思う。
そうでないと、トップに君臨し続けられないのかもしれない…と思わせる。
芹沢パパと領との対決は、芹沢パパの方が一枚上手だった感じがする。

直人の上司…中西役の三宅裕司さんも美味しい役。
あんな風に「命懸けで」と言ってくれる人が傍にいれば、直人も対決しよう!と決心するのではないだろうか。

今までの熱いだけのハイテンションっぷりとは全く異なった、生田斗真クンの思い詰めた表情や真実を知った驚愕の表情はさすがに上手い!と魅せられたし、涙を溜めて(しかし泣くことはせず)ギリギリのラインで躊躇いや我慢を表現していた大野智クンも素晴らしかった。
さすがダブル主演!と思わせる2人の名演技♪

いよいよ次回で最終回。
オリジナルの韓国版を全く知らないのだが、何だかとても切ない最後が待っているような気がする。。。
結局、今クールで全編通して欠かさず見たドラマはこの「魔王」だけだったのだが、それに見合った最終回、悲しくも素晴らしいと思えるラストを期待している。(鹿の使番)

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2008年09月03日

「魔王」第9話

雨野真実の正体が成瀬領だと分かってしまった今週は、いきなり斗真クンの大野クンへの平手打ちからスタート!

個人的に、すっかり大野クンモードになってしまっている(苦笑)。

領が「いいんですか。真実があなたの胸を貫くことになっても」と念を押したのに対し、直人は有無を言わさず「構いません!」と言い切っているが…本当にいいのか?と疑問を投げかけずにはいられない。
親友をひたすら助けたいと純粋に思っているのかもしれないが、これまでの経緯を鑑みて、しかも相手が雨野真実(成瀬領)だと分かっているのならば尚更、その奥には更なる“何か”があると勘繰ったり躊躇したりするのが普通なのではないのか。

直人の即座の肯定は、単に“何も考えてない”その場しのぎの目先だけの応答に聞こえてしまい、ドラマを見ているこちら側も「もう少し考えてから言えよ!」と、彼の短慮さをつい責めてしまう。
案の定、直人の返答に領は「楽しみですね。あなたが真実を知った時、どんな選択をするのか」と意味深な言葉を残すのだが。

親友の冤罪を証明したいがために、身内の犯行を真正面から捉えなければならない窮地に追い込まれるであろう次回の直人。
いち視聴者としても、斗真クンが真実を知った時、どんな表情をしてくれるのか興味は尽きない。(鹿の使番)

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posted by 鹿の使番 at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 魔王 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする