今回は大野クンと優香ちゃんとのやり取りに泣かされた。
直人に対する復讐を企て「魔王」と化した領が、初めて垣間見せた素の表情は痛ましくて切なかった。
真紀子から「あなたは、私の希望だった」といわれ、「ごめん…」としか返せない領。
上手く利用していたはずなのに、逆に見返りを求めない溢れんばかりの慈愛を受け取ったような印象だった。
真紀子への優しい気持ち、誕生日を祝ってくれる同僚たちやプレゼントを描いてくれた空ちゃんに対する想い、あなたの天使になりたいと手を差し伸べたしおりへの迷い…。
「天使の弁護士」なんかじゃないと自嘲し、しかし周囲にはこんな自分を温かく気遣ってくれる“天使たち”が沢山いることに、領はいたたまれなくなってしまったのではないだろうか。
迷いや躊躇いが生じて魔王になりきれない領の、本来は純粋で素直で柔和な青年なのであろう部分を大野クンは上手く演じている。
領にとっては、真紀子もしおりも“救い”の対象なのだと思う。
もちろんそれは真紀子やしおりが救われるという意味ではなく、領自身が彼女たちの存在により救われるという意味だ。
そこには恋愛うんぬんを超越した、聖母マリアのような慈悲や慕わしさ、無償の愛とでもいえるような、より崇高で純真なものによるカタルシスを感じる。
一方、直人はますます単独行動が目立ち、視聴する側としてももはやイライラを隠せない。
お陰で、すっかり斗真クンモードから大野クンモードに切り替わってしまった(苦笑)。
いよいよ次回は領の正体がバレそうな予感だが、どういう展開になるのか今から楽しみで仕方がない。(鹿の使番)